この学校で、身体測定を受けるのは今日で最後になる。
もう○○歳になったから、来年からあたしは●学生だ。
長い髪を束ねて、体操着を着込む。
今日は一年に一度の身体測定。恥ずかしい。
なぜなら先生は、あたしの近所に住むお兄さんだからだ。
だから、今日はブラもつけてきた。
お兄さんに、どんな顔をして保健室で会えばいいのか困る。


「すずかさん、次ですよ」
体重や、身長などの計測を終え、とうとうお兄さんの待つ保健室で聴診器を使った診察が始まる。
恥ずかしい……本当に恥ずかしい。
でも、保健室に入るとお兄さんも照れくさそうに座っていた。
「こんにちは、スズカちゃん元気?」

そこに大好きな若いお兄ちゃんが白衣で、座っていた。
お向かいの椅子に座ると、あたしは「こんにちは……」と低い声でつぶやいた。
それから何を話したのか覚えいない。

あたしはおどおどしながら、体操着をお兄さんの前で脱いだ。もちろんブラも外して。

まずあたしのおっぱいに、聴診器のひやりとした感触が襲う。恥ずかしい。
まだ、全然大きくない膨らみかけの小さいおっぱい。
全然やわらかくない。
だからお兄さんに見せたくなかった。全然大きくないし、みっともない。
あたしの胸におにいさんの視線が来る。おにいさんの頬が真っ赤だった。
「後ろを向いて」
聴診器があたしの、おっぱいから離れると小さく震えた。

背中に聴診器が来る。
 「何かおかしい」
おにいさんは小さくつぶやいた。

「何がおかしいの?」
もう終わったと思ったのに、またあたしは先生の前でおっぱいを見せなくてはならなかった。
金属質のひやりとした感覚がまた乳首を襲う。
思わず「あっ」と声を出してしまう。
「すずかちゃん?」
「はずかしい……
おにいちゃんは、聴診器を外すと両手であたしのおっぱいにそっと手を触れた。
「お兄ちゃん? あ……
経験したことのない感覚があたしを襲う。
「こんなに膨らんで……
それは聴診器の感覚ではなく、人の手のぬくもりだった。
小さく息を継ぎ、あたしは目を閉じた。
きっと検査なんだ。
でも、乳首に手でさすられると、とうとう「ああっ」と声を出してしまった。
死んでしまいたかった。

その内に教師の足音がした。そのまま、お兄ちゃんはあたしのおっぱいを触るのを止めた。あたしは息を整えるのに精一杯だった。


次の人の番が来て、そのまま病室を出た。
あれ以来、お兄さんとはすれ違っても口を利いていない。

END